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事態を察したようで風呂上がりの4人は襖の向こうに布団をしいていた。
まひるちゃんはすぐに寝てしまった。俺はそれを見計らいベランダへと赴いた。
暗闇が支配する中、綺麗な星が数個輝いている。
本来なら臭くなるから滅多に吸わないタバコを取り出し火をつけた。
あのネガには確かに俺が裸で風呂にいた…まひるちゃんとキスするときの写真だろう。でもまひるちゃんが写っていなかった。
意味がわからない。何度かみたがやはりそこにはなにかを抱き締めているようでなにも抱きしめていない俺しかいなかった。そして同時にもう一つ疑問がわいた。
まひるちゃんの両親が交通事故で死んだ件だ。
どこかに行くのなら幼いまひるちゃんをおいて行くだろうか。兄弟がいればあれだがまひるちゃんは純粋な一人っ子のはずだ。
俺はなにを考えているんだろうか。
けどこの疑問を直接まひるちゃんにぶつけてしまったら全てが終わってしまう気がする。
仮にまひるちゃんがいなくなったら俺はどうするのだろう。
また元の生活に戻るのだろうか。
学校行って帰ってきて寝てエロゲーして寝て学校に行く。
そしてまひるちゃんのこと思い出して泣いたり…。
「ば、馬鹿らしい。あの時は多分まひるちゃんは潜ってたから写らなかっただけだろうな。そうだ、確かにそうだった。」
自分にそう言い聞かせタバコを消してまひるちゃんのところに戻った。
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