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「兄ぃ、そんなに落ち込まないで?」
「そうですよ、私は真一郎さんが一番かっこよかったと思います。」
「うん、ありがとうまひるちゃん、そよかちゃん。」
午前のプログラムは無事に終了したわけだ。今は昼飯の休憩時間。けれど全部が全部うまくいったわけではない。
綱引きはみんな可愛く頑張っていたしそのうえ勝利したわけだし最高だった。
まひるちゃん、由佳ちゃん、そよかちゃんの汗をかきながら頑張る姿には興奮したしね。
問題はその後だ。
バスケ…俺が保護者として出た種目だ。
「いやあれはさすがにないでしょ。恥ずかしかったわ。」
「桜井くんはなめて練習もしなかったからだよ。」
「ちょっとガッカリしました。」
冷たい彼女達だが彼女達の言う通りだ。
なにもできなかった。体力が落ちたとか日々運動してないからとかそんな理由も勿論あるが、シュートは決められないしどうしようもなかった。
目立った箇所といえば転んだぐらいか。
確かに相手は体育教師だったが、それでも酷い内容だった。
「そんなことないもん、兄ぃが一番だったもん。」
「そ、そうです、真一郎さんがよかったです。」
二人の優しさに泣きそうになる。確かに意地もみせられず負けて、シュートすらできなくて……俺はとりあえずまひるちゃんとそよかちゃんを抱きしめながら昼飯を楽しんだ。
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