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「まひるちゃ…ごふっ。」
なんだかよくわからないが、左脇辺りに良い膝が入ったような…。
「そよかちゃ…いったー。」
次は右脇辺りに良い膝が…。
「わかった、由佳ちゃ…ごおっ。」
「遅いわよ、大体こんな可愛い声の奴なんて私以外いないでしょっ。」
振り向くと凄い剣幕の体操服着用の由佳ちゃんが居た。
相変わらず胸辺りはスカスカだがな。
「ごめん、あんな可愛い声出すからわからなかったよ。」
「なっ…ま、まあ仕方ないわね、一人で淋しそうにしてるから胡座に座ってやるわよ。」
そう言って強引に俺の胡座に腰を降ろした。
「ありがとう、誰もいなくて正直淋しかったんだ。」
「で、でもどうせまひるの方がいいとか思ってんでしょ。」
そんなことをいいながらも少し声に元気がない気がした。
そういえば親父のところに行って以来ずいぶんまひるちゃんびいきしてたような…気もしなくない。
けど俺はそんな気持ちはまるでない、由佳ちゃんもそよかちゃんも同じように接しているつもりだし。
「そんな風に思ってたなんて心外だな、俺は本当は優しい由佳ちゃんも大好きだよ。」
そういって包むように抱きしめると由佳ちゃんはなにも言わなかったが、表情は笑顔だったと思う。
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