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「なっ…あの…。」
「私は桜井さんとまひるちゃんのために…言っただけなのにあんな目でみて、酷いです…うぅ。」
声を殺して泣いているため夕は料理をしているのでこちらに気づいていない。
とりあえずバレないように解決しなくては…。
「す、すいません。」
「あんな目でみられたんだからもう立ち直れないです…うぅ。」
声が漏れだしたが、そんなに酷くはない。
泣きたいのは俺だ、こんな優しい人を悲しませてしまったなんて…大体よく考えれば美沙さんの意見は年上としての貴重なものじゃないか。それこそ心優しい美沙さんだからまひるちゃんを覚えていたのかもしれない。
「ど、どうしたら許してくれますか?」
「キスしてくれないともう知りません…うぅ。」
そうきたか…美沙さんのことだから嘘泣きもありえると思ったが、それは失礼だ。
仮に聞いて本気だったら困る。それに嘘泣きでも傷付けたという事実は変わらない。
「くっ、わかりました。」
「勿論深い方ですよ、それ以外は許しませんからね。」
何故に誕生日だというのにこんな…けどある意味プレゼントか、こちらとしては…いやでも俺にはまひるちゃんが…。
だが投げ出すのか、悲しませといて…キスの一つや二つどうということはないだろう、合体するわけじゃねえんだからな。
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