16人が本棚に入れています
本棚に追加
「これぐらいでいいかな。」
「また適当にやって私達にやらせるんでしょ?」
俺に鋭い視線を送る女性…長い赤髪を揺らしながらこちらに向かってくる。
身嗜みが整っているところをみるとどうやら俺が気付かないうちに起きたようだ。
「厳しいなあ、最近はあんまりミスらないよ?」
「それはつまり私の訂正が無意味ってこと?」
わざとらしく机に置かれた。
俺のミスが明確に印された紙だ。
「生意気言ってごめんなさい。」
「まあいいわよ。どうせあんたは相変わらずなんだから。」
出逢った時から変わらない…つまり若いということか。思えば30代半ばなんだしね。
「ありがとう、由佳ちゃん。」
「そ、そんなことより…。」
なんだか少し頬が赤くなる由佳ちゃん。
俺の不思議そうな表情に由佳ちゃんはたまらず口を開く。
「最低ね、あんた…キ、キスよキス…マウストゥマウスよ。」
「するの?」
「いつも真一郎からしてるじゃない。」
最初のコメントを投稿しよう!