28人が本棚に入れています
本棚に追加
ネクタイを締め直しタキシードを着直す。
係の人が髪のセットからなにからすべてやってくれたが、それでも訪れる緊張感は果てしない。
落ち着かせるように深呼吸してみるけど心臓の高まりは収まる気配はない。
生まれてから多分1番緊張しているが、外は快晴でまるで俺達を祝福してくれていた。
まひるちゃんを見に行こうと思いドアを開けると由佳ちゃんとそよかちゃんに阻止されてしまった。
仕方なく俺は外に出て煙草に火を点けた。
まひるちゃんが俺の元に帰ってまだ二日しか経っていないのに俺は式場に居た。
この完全に出来すぎている展開の裏には緻密に作られた計画のおかげだ。
主演は俺とまひるちゃん。
その他全ては由佳ちゃん、そよかちゃん、夕、美沙さんが動いていた。
全てが仕組まれていた。まひるちゃんがあの時さらわれたのも二人で帰ることも全てだ。
みんなはまひるちゃんに会った時から彼女の思い出を少なからず復活させてたみたいで、二人の仲を戻そうみたいなことで動いてくれた。
「しかしまさか結婚式までとは…。」
嬉しくはあるし達成感は素晴らしい…だがうまくいけば必ずなにか裏がある。
残念ながら俺がまひるちゃんを取り戻したということはつまり解禁された、ということだ。
なにがって由佳ちゃん、そよかちゃん、夕、美沙さんとの甘い生活が、だ。
ハーレムすぎる…大体仕事も今まで通りなのに俺は五人もの女性を…。
幼なじみ、ツンデレ、従順、胸、未亡人…なんでもありだ。
だからみんなこれが最後と言わんばかりにお膳立てをしてくれたに違いない。
最初のコメントを投稿しよう!