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ぽっかりと心に開いた穴…しかしそんな事を忘れそうになるぐらい毎日が喧しく、騒々しい。
なごみ荘の一階の隅に俺の部屋がある。
玄関先はすぐに居間とキッチン、隣の部屋に寝室と襖のついた物置、玄関から居間にかけて奥にトイレ、風呂と続く。
つまり狭いわけだ、我が家は…こうも狭いにも関わらず俺を含め五人の人間が滞在している。
まずは俺の上に乗る赤髪ツインテールが由佳ちゃん、隣にそよかちゃん。
俺の左腕を腕枕にするのが、夕で逆が美沙さん。
二人が加わりまだ三日目だ、腕の痺れも慣れたもので気持ち良くすら感じてしまう。
「桜井さん、起きてらっしゃいますか?」
悩みの種の一つでもあるのはこれだ、昨日から始まった美沙さんのみんなが寝静まった頃に動き出す感じだ。
昨日なんて寝れなかった、ひたすら耳を甘噛みされながら耐え忍んでいたら朝になっていたわけさ、はは。
「無視ですか、なら仕方ありません、私はこれから自分を慰め…」
「な、なにしてるですか、お、起きてますから。」
美沙さんは俺の手を自らの胸へと招き入れた時点で俺は声をあげた。
正直な話見過ごしてもよかった、だって健全な男子大学生だもんね。
けど俺が最初に事を成すのはまひるちゃんと心に誓っている、それにまだ彼女が俺の傍を離れて三日しか経っていない。
「そういいながら私の胸を触る手は退かさないんですね。」
「し、痺れてるんです。感触だってよくわからないぐらいに…。」
「ならそういう事にして起きましょう。」
暗闇ながら美沙さんが今ニヤニヤしているのはわかってしまった。
しかし俺は心の中でガッツポーズ、お祭状態だ。だって美沙さんの胸を触ってるんだよ、味わった事のない感触で、ずっと触ってみたかったんだ、俺は…。
まひるちゃん、すまない、俺はこういう人間なんだ。
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