第1話

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~数十年後~ 「似合うかな?」 夫「とても似合ってるよ」 「ありがとう!」 夫「これもきっと似合うよ」 「そうかな?」 夫「ほら、やっぱりな!」 「照れちゃうよ……\\\\\」 あれから数十年の月日が流れた 私は今新しい日々を過ごしてる 結婚もして幸せに暮らしてるよ でもね…結婚してもどれだけ 幸せでいても…やっぱり私には 貴方しか合わないみたい 今の彼よりも亡き恋人を今でも 愛しているから 彼を亡き恋人よりも愛せる日は ないと思う そう…ないよ…絶対… でも…亡き恋人を大切な 思い出にしなきゃいけない… でもそれはムリみたい… しようとしてもできないから… 貴方を愛する気持ちがそれを 拒否しちゃうから… 今の彼はね 貴方よりも 私を思っていてくれている 私の事を一番に考えてくれている 理解もしてくれている ずっと私の傍にいてくれる 貴方よりも…晴人さんよりも 素敵な人よ? でも…どんなに素敵な人でも 晴人さんには敵わないから どんなに幸せでも晴人さんと いた時が一番幸せだったから どんなに愛を注いでもらっても 晴人さんには敵わないから どんなに私のことを考えてもらっても 晴人さんには敵わないから 晴人さんはいつだって私の味方 でいてくれた 傍で支えてくれた 悲しい時は慰めてくれた 苦しい時は包み込んでくれた 幸せな時は一緒に幸せでいて くれた "私以外愛せない"って言って くれた 初めてを全部晴人さんがくれた そして私の最愛の人になった 「もう遅いから帰ろう」 夫「遅くても俺が守るよ」 「……うん」 《美沙》 「えっ………?」 夫「美沙?」 「何でもないよ帰ろう?」 夫「ああ」 今一瞬だけど晴人さんの声が 聞こえた気がする 周りを見渡しても晴人さんは いなかった でも香りがしたの… 晴人さんの香りが… 言葉も無く 姿も無い この香りが あなたでした 夢でもいい もう一度逢いたい…… でも叶わぬ願いだから…… もう二度と会えない人 『愛してるよ、いつまでも。』 私の愛した人 ーENDー
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