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ようやく2つ目の材料が揃った。残るはあと1つ、問題のサラマンダーの爪。
サラマンダーは口から火の玉を吐き、龍の頭と腕、蛇の身体を持つ下級の龍族である。
下級と言っても龍族、少しは強くなったと言えど、今のルークでは敵うはずがない。
しかし、ここまで来て帰るわけにはいかない。
ルークは慎重に洞窟の奥へと進んで行った。
すると、今までジメジメしていた空気が一転、奥に進むにつれて乾燥してきた。どうやらサラマンダーの巣に近付いてきたらしい。
ルークは固唾を飲み、勇気を出して静かに進んで行った。
すると、かすかだが何やら不気味な唸り声が聞こえた。ルークはそれがサラマンダーの声だと直感した。
冷や汗が垂れた。物凄くビビりながら歩いて行った。
すると、何やら空が少し覗く広い空間が現れ、その一番奥に巨大な赤いモノが横たわっていた。
サラマンダーだ。
奴は夜行性なので昼間はこうやって巣で眠り、夜になれば活動を開始するのだ。
ルークは今の内にサラマンダーを起こさないように爪を斬り獲る事にした。
しかし、手早く終わらせなければならない。今は日暮れ間近、早くしなければサラマンダーが目覚めてしまう。
ルークは今まで以上に慎重に近付いた。そしてついにサラマンダーの爪に手が届く程にまできた。
ルークはふとサラマンダーを見た。大きな角が4~5本、鋭い牙が不揃いに飛び出し、全長は約10mほど。
ルークは思わず身震いした。気を取り直して爪に剣を近付けたその時…。
サラマンダーの眼が開いた。どうやら活動時間になってしまったようだ。
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