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サラマンダーは唸り声を上げ、起き上がりルークを見た。
「し、しまった…。」
言い終わるか終わらないかしない内にサラマンダーは腕を振りかぶり、ルークに向かって横になぎ払った。ルークの頬を爪がかすめた。
そこから少し血が滴った。
「うわぁぁぁぁ!!」
ルークは叫びながら一目散に逃げ出した。
しばらく走り続け、サラマンダーを振り切り、ようやく少し落ち着いてきた時、ふと考えた。
ここで逃げていいのか…。せっかくここまで来たのに、あともう少しで自分の長年の夢が叶うかもしれないのに…。
ルークは怯えながらも武器を構え、ゆっくり逃げた道を戻っていった。
少し行くと気味悪く地面を這いずる音が聞こえた。
サラマンダーはすぐそこまで来ていた。サラマンダーはルークを見付けるやいなや、息を大きく吸い込み、巨大な火の玉を吐き出してきた。
「ひぃっ!」
ルークは大げさに横に飛び退いて避けた。火の玉が当たった壁面は大きくえぐれてしまった。
「ハァハァ…こ、怖くなんかないぞ、怖くなんか…。」
自己暗示のように言って、改めて武器を構え直した。
「うらぁぁ!!!」
ルークはサラマンダーにがむしゃらに向かって行った。
それを叩き潰そうとサラマンダーだ手を挙げ、振り下ろした瞬間、ルークは背後に回り込み、サラマンダーの背中を思いきり斬りつけた。
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