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ルークとスライムは二手に分かれ、挟み撃ちで攻撃した。
まずスライムが腹部に体当たり、続いてルークが首筋を斬りあげた。
「グウゥ…。」
とても苦しそうにしている。かなり効いているようだ。
しかし、ルークの武器は度重なる戦闘と、幾度もサラマンダーの硬い鱗を斬りつけていたせいで、ボロボロだった。いつ折れてもおかしくなかった。
「マズイな……、そろそろ決着を着けないと…。」
滴り落ちる血の混じった汗を拭い、気合いを入れ直した。
ルークがいろいろ考えている間も、スライムはずっとサラマンダーと戦っていた。
避けては体当たり、避けては体当たりの繰り返しだ。
今までルークから受けたダメージもあってか、サラマンダーも弱ってきた。
すると今度は、サラマンダーが自分の巣へと引き返し始めた。
ルークはこの機会の逃すまいと、サラマンダーを追った。
そして近くにあった岩を踏み台にしてサラマンダーの後頭部に跳び蹴りを喰らわせた。
サラマンダーはうつ伏せに倒れ込み、動かなくなった。
「やった…のか…?」
ルークは倒れたサラマンダーを見た。かすかに心臓の鼓動が聞こえた。どうやら気絶しているだけらしい。
「今の内に……と。」
ルークはサラマンダーの爪を1つ、持っていた剣で斬り獲った。
象牙色に輝く巨大な鍵型に曲がった爪だ。
スライムがルークの顔を覗きこんでいる。
「これでいいんだよ、むやみに倒す事はないよ。」
ルークは笑顔でそう言った。スライムが言いたい事がなんとなくわかったようだ。
ルークはスライムと一緒に意気揚々と洞窟を出た。
そしてついに、薬の材料が全てそろった。
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