~薬作成、そして~

2/9
472人が本棚に入れています
本棚に追加
/127ページ
「ありがとう!お前のお陰で助かったよ!絶対また逢いに行くからな!!」 手を元気よく振りながら村の手前でスライムと別れた。 それにしてもあのスライムは一体何故あんなにルークの事を気に入ったのだろうか?   帰りの船の中でルークは薬の材料を眺めていた。 「これで…俺の夢が叶うんだな……。あいつら…きっと驚くぞ。」 ルークは明るい未来に目を輝かせた。もう誰も自分を弱いなんて言わない、そう思っただけでルークはワクワクしてきた。   船が学校に着き、ウキウキ気分で家に帰ると、ルークは鎧兜を脱ぎ捨て、傷の手当てもロクにしないまま地下室へ駆けて行った。 ついに調合を始めるようだ。 魔導書を何度も何度も読み返し、作り方を確認。 そしてドキドキしながら1つ目の材料を調合鍋の中に入れようとした瞬間、校長の言葉と副作用の事が頭をよぎった。   「よく考えろ……俺はよくかんがえた…。禁忌…副作用……呪い……。」 様々な事が駆け巡った。ルークは混乱してきた。 ガンッ! ルークは壁に頭を打ち付けて雑念を吹き飛ばした。 「さて、始めるか…。」 気合いを入れ爽やかな笑みをするルーク、しかし思い切り壁に頭をぶつけたせいで、サラマンダーに受けた傷が開き、再び血が滴っていてとても不気味だった。
/127ページ

最初のコメントを投稿しよう!