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ルークは火柱を消して、重い足取りで学校へと向かった。
「はぁ…。校長先生、何て言うかな……。」
かなり憂鬱な気分で学校へ入ろうとしたその時、
ドンッ!
勢いよく走ってきた人とぶつかり、ルークはしりもちをついてしまった。
「うわぁ!ご、ごめんなさいごめんなさい!!」
とっさにいつものように大げさに謝った。
どうしよう…、また何か嫌な文句を言われる。そう思ったが、
「い、いえ。こ、こちらこそすいませんでした…。」
と、普段のルークには聞き慣れない返事が返ってきた。
「え…。」
キョトンとしながら見上げると、なんとそこにはいつもルークをいびる戦士がいた。
「だだ、大丈夫ですか!?お嬢さん!」
「は、はぁ…。」
戦士は恥ずかしそうにルークの手を掴んで起きる手伝いをした。
「お嬢さん大丈夫ですか?本当にどこも怪我してないですか!?」
普段と想像もつかない彼の接し方にルークは思わず吹き出してしまった。
そうだった。自分は今女になってしまっているんだった。ぶつかった衝撃ですっかり忘れてしまっていた。
「はははははは……。な、何かおかしかったですか。」
戦士は照れ臭そうに笑った。どことなくいい雰囲気になりそうだったので、ルークは何やら危機感を感じた。
「あ、あの…お嬢さん!よ、よろしければ、今から自分とお茶でも…。」
「あ、あら!い、行きたいのは山々ですけど、残念ながらアタクシ、これから大事な用事がありますの!ではご機嫌よう~!!」
お決まりのようなセリフが飛んできたので、ルークは慌てて不思議なお姉さん口調で断り、全速力で校内へと走り去って行った。
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