†6章 死別

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 「いーちゃんが亡くなった」  両親の口から、その言葉を聞いたのは約束をした日から5日後のことだった。  正直、その日のことはよく覚えていない。    お通夜には行かなかった。  そして葬式にも行かなかった。  ただ、いーちゃんが死んだのを認めたくなかった。  お通夜や葬式に行ったら、彼女の死が僕にとって現実になってしまうような気がした。      僕は彼女の死から目を反らし続けた。  そしてそのまま、いつしか3年もの月日が経ってしまっていた。  
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