†3章 帰郷

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 電車を降りた僕を迎えたのは、懐かしい町の変わらない風景だった。  さすがは田舎町というべきか。  3年経っても、まるで僕がこの町を出てから時を止めていたかのように、変わってなかった。  いや、まぁ、だいたい予想はしてたよ?  どうせほとんど変わってないんだろうなって。  だけど、まさかここまでとは……………  そんな感じで町の様子に驚愕しつつ、いーちゃんの家の辺りを目指して歩いていたは僕は、いつの間にか町の住人のほとんどと再会していた。  元々、住人の少ない町だったとはいえ、片道だけでほぼ全員と会えるとは思ってなかった。  …………正直、3年もいなかったのに全員が僕のことを覚えてくれてて本当に嬉しかった。    そんなこんなで、いーちゃんの家が見えて来た頃、僕はいるはずのない3人組を再会した。  「あっ、明兄さん、竜次兄さん、楓姉さん、お久しぶりです」  その3人は僕が幼い頃に近所に住んでたお兄さん、お姉さんだ。  「おぉ、和人か。久しいな!」  竜次兄さんが三人を代表するように返事をする。  でも、何で兄さんたちがいるんだろう?  確か、意気投合して海外に仕事をしに行ったはずなのに…………  「そういや、海外はどうでしたか?」  とりあえず聞いてみた。  途端に3人の顔から表情がなくなる。  「な、な、何の話かな?」  「いや、海外での仕事のことですよ?」  「そんな事、知らないわ」  「いや、でも海外に……「行ってない」」  「で、でも……「行ってない」」  「……………」  「行ってない」  ……………どうしよう?  会話を続けるたびに、お兄さんたちの顔が能面みたいに無表情なって、『行ってない』としか言わなくなってしまった。  最終的に、電柱に頭を預けて、ブツブツとしか言わなくなってしまった。  海外で何かトラウマでも負ってしまったのだろうか?  仕方ないので、昔、ロシアでカキ氷を流行らせるために旅立ったお兄さんお姉さんを放っておいて、いーちゃんの家に行くことにした。  久しぶりに見るいーちゃんの家は、やっぱり変わってなかった。  じっくりと彼女の家眺める。   そして僕は2、3回深呼吸してからインターホンに手を伸ばした。
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