琢磨の父

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若くして莫大な財産を築き上げた藤堂猛(たける)。 傲慢でやり手の猛はあまり家には帰らず、数多くいる愛人宅を日替りで訪れていた。 たまに家に戻ると子犬のように自分にまとわりつく麗華に嫌気がさしていた。 「あなた、お帰りなさい。今日は朝までいて下さるの?」 「……」 「ねぇ、あなた?」 「あなたってば…」 「うるさい!!!」 テーブルを片手で叩いた。 麗華は驚いて固まっていた。
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