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倫子が台所に戻ると麗華が立っていた。
「奥様、ご用ですか?」
「主人はどこかしら?」
「先程、お出かけになりましたよ。」
倫子は猛が庭に眠る以外、ある程度の事情を知っていた。
「さぁ、奥様。
お部屋へお戻りください。
風邪を引かれては琢磨さんが心配なさいますよ。
今、温かいお茶をお持ちしますから。」
「…そうね。」
麗華は大人しく部屋に戻った。
衣装部屋に立ち寄りドレスを選ぶ。
一着のドレスを手に取り笑みを浮かべる。
「これにしましょう。
あの人が気に入るといいわ。」
ふふふっと笑った。
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