2人の父親

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「さぁ、麗華。 こっちへおいで。 一緒に病院に行くんだ。 何もなかった事にしよう。」 さっきとは全く違う穏やかな口調で麗華に手を差しのべる。 「あっ…」 麗華は嬉しそうに猛の手を掴んだ。 口の中で血の味がする。 片腕で口を拭きながら琢磨はその光景を目にした。 あんなにお互いを求めていたのに結局は父に敵わない。 分かっていた。 代わりだって…
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