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私は悪口のような雅人の言葉も許すように、雅人に軽くもたれかかって花火を眺める。
「来年もここにこようか?」
「…来年は海にもいきたい」
「いこ。…プールなら年中いけるし、次、俺の休みが土日に被ったらいこうか?」
「今年の水着買ってない」
「去年のでいい。一昨年のでもいい。ビキニのもヒラヒラしたのもかわいかった。あ、でもビキニはダメ。肌の露出少ないやつにして」
「なんで?」
「他のやつに見せたくないからに決まってるだろ。…家帰ったら風呂場で水着で水遊びしよっか?もちろん香織はビキニ」
「…下着でうろつくなって言うくせに、なんか下心透け透けなんですけど」
「下着で水遊びでもいいなぁ…。見慣れるとダメ。Tバックとか俺が見たことない香織の下着を見せてくれるならおっけ」
「そんなの持ってないっ。…Tバック好き?」
「……俺のエロ心探るなよ。好きだよ、どうせ。グラビアみたいなエロいの香織に着せてみたいよ、どうせ」
…着て、今度は雅人を誘惑してみようか。
のってきたらダメなんて言ってかわして、私が雅人を何時間も愛撫したり。
そういうのがマンネリにならなくてすむ方法かもしれない。
しかも、ちょっと楽しそう。
雅人も私にされることで自分だけが一方的にって思うこともないだろう。
…やっぱりセックスレスはよくないのかも。
「…雅人が私に着せたいの買ってきたら着てあげる」
「……透け透けのベビードールでも着てくれる?」
期待したように聞かれて、私は後ろ手に雅人の顔を叩く。
雅人は痛がりながらも、少し拗ねながらも、私を後ろから抱きしめたまま。
来年も再来年も。
またここにきたい。
ドキドキした気持ちを忘れたら、うれしかったことや楽しかったことを思い出したい。
私もがんばるから、雅人もたまにはときめくような素敵な姿を見せてね?
…恥ずかしくて言えない。
またツンデレって言われちゃいそうだ。
Fin 2013.8.7
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