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恭子:『どうしてかって?さっきも言ったでしょう。実験のためよ。』
恭:『人を殺しておいて!?何の実験よ!?』
恭子:『ふふ、見て。この本、魔術の本って言うんだけどね。この本に書いてあるんだけどね。大切な人の体を切り刻むの。それから私とお母さん達を魔法陣に移動させて火を付ける。すると私は永遠の命と魔力を貰えるのよ。』
恭:『…』
信じられないかった。
今日もいつもと同じように終わると思ったのに。こんな事ってあるの?
恭華の頭をそんな考えが回り始めた瞬間、
恭子は服の中に手を入れた。
恭子の手と一緒に出てきたものは箱に入ったマッチだった。
ゆっくりと火を付ける。その火が風に揺らめく。
恭子:『素敵な赤い炎。こんなに勢いのいい炎もいきなり消え失せててしまうこともあるのよ。恭華』
恭:『お姉ちゃん…まさか…』
今気がついた。血の匂いに紛れて別の匂いがある。
この匂いは…
ガソリン。
恭子:『ばいはい…恭華』
にやりと笑って火のついたマッチをガソリンの上に落とした。
その後何があったのか恭華は覚えていない。
ただ気付いた時に家は跡形もなくなっていた…
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