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『佐奈チャン。佐奈チャン。』
向こうから小学校低学年くらいの男の子が走ってきた。
そう、泡渦などとは無縁だった頃の健二だった。健二が叫ぶ方には白くて長い髪をしたたらせたかわいらしく物静かな少女がいた。
名を佐奈という。
佐奈:『健チャン!!』
彼女には友達がいない。みんなに無視され続けてていた。
こんな佐奈に構っていたのは健二だけだった。
健:『佐奈チャン。良いもの見つけたよ!ほら。』
佐奈:『へ~。よかったじゃなん。』
佐奈は小学生低学年にしては大人びていた。それがいじめられてる原因だろう。
佐奈:『ねぇねぇ健チャン。もっとおもしろい物があるよ。』
健:『えぇ!なになに。見たい!!』
佐奈:『じゃあこっち来て。』
佐奈チャンは歩き出した。
僕も歩き出した。
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