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光を遮るほどの大きな緑たち。生い茂る草花が小さく見えてしまうほどの巨木が並ぶ密林地帯。
そんな密林を大雨のなかフラつきながら歩む一人の男。些かなりとも感じ取れない精気。
男が重い足取りで進む先には小さな墓石が一つ。
「あぁ……」
むせび泣きながら目前の墓石に抱きつく。何かに縋るように、もしくは何かを望むように。
そして怒りをぶちまける様に男は叫んだ。
「返せ……俺の――を!!」
落雷にかき消された男の叫び。
暫らくして男は墓石に向かって何かを呟くと、揺らりと立ち上がる。
強く光る怒りの炎を灯した瞳の男は、そうして姿をさらに密林の奥へと消した。
墓石に刻まれている名は一つ。
――アルカ・ノーゾレス。
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