記憶喪失で幻想入り

15/18
14人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
?「申し訳ないです。本当に」 にとり「だからいいって気にしなくて」 やれることは自分でやろう。そう思い、今さっき持ってきてくれた手拭いと薬を手に取った。 ?「後は自分でやりますから」 にとり「私がやるよ?自分じゃやりにくいだろ?」 ?「流石に悪いですって。これくらいは一人でやりますから」 にとり「ふむぅ・・・わかった」 納得してくれたようなので、手当てにかかる。と言っても応急処置のようなものだ。 足についた汚れ等をある程度綺麗になるまで拭き落とし、にとりさん特製だと言う塗り薬を塗って綺麗な手拭いで巻いて縛るだけ。 そんな訳で、手当てはあっという間に終わった。 ?「よし・・と・・・薬、ありがとうございます」 にとり「うん。そうだ、どうせ行くところ無いんだろ?なんならしばらく家に居てもいいよ?」 ?「・・・はい!?」 唐突に発せられたその言葉に耳を疑った。 手当てが終われば今度は泊まっていけと言う。 しかも一泊ではなく、しばらくの間だと。 にとり「記憶が無いんだろ?帰るところもわからないのに出て行けなんて言えないよ。それにもう真夜中だしね」 言われてみればその通りだが、これだけやってもらっては気が引ける。 しかし今は素直にありがたく頷くとしよう。 ?「すみません。・・・よろしくお願いします」
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!