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次の日の朝。
目をさますと、やはりそこはにとりさんの家の中だった。
壁に掛かった古めかしい時計に目をやり、時間を確認する。短針は7を少し過ぎた所を、長針は概ね5の位置を指していた。
起きなければと上体を起こす。
朝のしっとりと且つひんやりとした空気が肌に触れ、まだ寝ていたいという衝動にかられるが、そういうわけにもいかない。
昨日の事は夢ではなかったようだ。しかし昨日の記憶はあるのに、それ以前の事はやはり思い出せない。
妙な気持ちで気分が沈む。
その気分を取り払うが如く、俺は手の平で大きく顔を拭って立ち上がり、布団を畳んでにとりさんの居る部屋へ向かった。
?「おはようございますにとりさん」
と、襖越しに聞こえるくらいの声量で挨拶をした。
にとり「あ、おはよー。ちょっと待ってね」
にとりさんからも襖越しに返事がくる。
言われた通りに待っていると、何かを片付けるような音がした後、にとりさんが出てきた。
出てきた際襖の隙間からちらと見えた部屋の中は、機械らしきものや工具なんかが多数確認できた。
にとり「早起きだね」
?「にとりさんこそ。それより、何かやってたんですか?」
にとり「ん~、まあね。機械弄りさ」
?「好きなんですね」
にとり「好奇心はなかなか抑えられなくてね~♪っと、朝食にしようか」
?「はい」
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