風のはじまり

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「やっと当たったぜ。お前は何で能力使わないんだよ。舐めてんのか?」 使えるならとっくに使ってる。 「能力が無いんだよ。僕は黒髪だから、能力無いんだ」 「そうなの?私は髪染めているかと思ったけど。違うのね。湾辞君」 「お前何で戦ってんだ。能力無しで戦おうと思ったんだ?バカだろう!傑作だ」 確かに何で戦ってんだろうね。今更思うよ。また、多分。 「知ってる人が嫌がってる所を助けたいだけだよ」 「わ、湾辞君」 「悪いが、俺の勝ちで彼女と帰らせて貰うぜ!」 ナンパ男が突っ込んでくる。回避しても、無理だ。右腕痛くて回避しても攻撃受けるだけだ。なら、一発殴ってやる。僕が負けても、槍司が津田さんを助けるだろう。 だから僕は、一発殴ってやる。守れなくても、殴って自分の何かは守りたい。プライドとか無い。ただ純粋に殴ってやる。 相手がどこ殴っても、僕の攻撃を当ててやる。それが、僕の 今やることだ!
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