プロローグ

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太陽の光を浴びることも、風を感じることも許されない。 ーー僕は光に拒絶された。 そう思いこんでいた。 だけど父は悲しそうに僕の頭を撫でて繰り返した。 『お前には義務がある。光の世界に生きることだ、そして探せ。光の王を・・・』 父は何者かに殺された。 赤い世界で、 赤い炎、赤い旗、赤い男達、 ーーーーーそして赤い竜。 時折、記憶が脳裏を掠めると背中の産毛がザワザワと粟立つような感覚に襲われる。 赤を見る度、心のどこかで何かが渦巻く。黒い煙りのような何かが。 あいつらが、父を殺した。 少年は誓った、 父の敵を倒すと・・・ 父の遺志を継ぐと・・・ これは始まりではなかった。 物語は少年の父親が殺されたよるも遥か昔から始まっていたのだ。 光の王 風が今日も強く吹いている。太陽の光は暖かく少年の体を包んだ・・・・・
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