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「人を招待しといてこれかよ」
リンは呟いて、厳かな門を見上げた。
普通の高校ならこんな重厚な門で囲う必要など無いだろう。
何重にもかけられた結界のせいで空気さえも重苦しく変えていた。
今日からここで普通の生徒として学園生活を送るとなると頭が痛い。
これが『あの人』の頼みでなければ、決して足を踏み入れることは無かっただろう。それに調査だけなら転入する必要も無い。
仕方ない、とリンは言い聞かせるように繰り返した。そして過剰装飾の巨大な門を目前にうんざりしはじめていた。
ここは普通の高校ではない。
いわば術士の為の学校だ。
術士とは特殊な能力を扱えるもので、魔術師や錬金術師がこれにあたる。
この世界では高収入で高い人気もあるため、多くの人間が術士に憧れる。
全ての人間が術士になれるわけではないが、ある一定の能力値というものがあれば大抵の術は習得出来る。
術士と一言にいっても様々な職業があり、医術士、武術士、技術士系は特に職種が豊富だ。リンはその中の技術士にあたる、会社や企業に所属して、その高い能力で製品の開発等を行っている。
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