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残りの階段を踏みしめて、恐る恐る屋上の様子を確認する。
落下防止の為に張られるフェンスなどはなく、そこにはまっさらなコンクリートの床と、貯水タンクがあるくらいだ。
街灯の明かりが届かない代わりに、月が私を照らしている。
問題は、照らされているのが私一人ではないということで、やはりそこには少年が、たった一人で星空に臨んでいた。
どうしようもない負のオーラを纏ってである。
相手はこちらに気付いているのだろうが、気にかけるような素振りはない。下から見た時と寸分違わぬ位置で静止している。
何か喋らなくてはいけない。
このまま何もできずに彼が飛び降りてしまうのだけはごめんだ。
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