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「--すみません」
誰もいない?電気は点いているのだけど。
梅雨にはまだ早いというのに突然の雨に降られ、
仕方なく入った1件の店。
こんなところにペットショップなんてあったんだ。
静かに眠るクロネコ、耳の長さが違うウサギ。
片側の壁にはエサや首輪が陳列されている。
入口のカゴには…
「びっくりしましたよー!いきなりふってくるんですから。
朱美さんの言った通り、傘もってってよかったです。
外の人なんて、そこらじゅうで雨宿りですよ。
そんな人たちを横目にみながら、傘をさして悠々と歩くのって気持ちいいですねぇ。
でも、どうして夕立のことがわかったんで…うわっ」
「ど、どうも」
「どなたですか」
「いえ、実は」
「あなた泥棒ですね」
「違います。一応、客です」
「いいや、そんなはずはない。僕が働き始めてからこのかた、
まともなお客さんなんて来たことがありません。
あなたの狙いは何ですか。」
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