『若恋』一度だけのキス

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妹のようだと思えていた気持ちはとうに手放している。 好きなんです。 りおさんが誰を想っていようとも――― ゆっくりとりおさんの髪に触れた。 真っ直ぐで艶のある黒髪。 若がいとおしく撫でる黒髪。 そしてりおさんの頬に触れる。 ぴくっ 微かにりおさんの睫毛が動いた。 触れてはいけないと。 りおさんは若の大事なひとだと、大切にしているひとだとわかっているのに止められない。 「好き、です……」
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