はじまり

10/11
前へ
/17ページ
次へ
「いやー脅かすつもりとかなかったんですよ!たまたまこの廃墟見つけて、物色してたんですよ!」 落ち着いた俺の横で、椅子に腰掛ける少女はペラペラ話し続けていた。 少女、というより女性か 同い年くらいの彼女は1番大きな椅子に腰掛け、足を組んで王様のようだった。 「あ、私優子って言います!よろしくです!」 雄大 「は、はあ。俺は高橋雄大です。」 優子 「雄大くん!よろしくです!」 いきなり下の名前で呼ばれ、少し違和感。 初対面で下の名前で呼ぶとは、随分と・・・・ と、いろいろ考えていたが俺は、彼女についてある疑問をぶつけてみた。 雄大 「ところで、何でここに?」 優子 「ああ、ちょっと私たちのひみつきち的な場所を探してたんです。 ここ、夏なのに涼しくて、人通りも少なめで、見つかりにくいでしょ?超気に入りました!」 雄大 「え、ちょ、ここは俺のひみつきち何だけど!」 我ながら子供みたいな返事だったと思った。 だが、ここは俺の癒し空間。 さっきは恐怖したが、やはりここは俺のひみつきちなのだ、誰にも譲るつもりはない! それを察してか優子さんは少し驚いたが、少しの沈黙のあとまた口を開いた。 優子 「ここは貴方の私有地ですか?」 雄大 「えっ」
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加