はじまり

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雄大 「っはあーー!涼しいー!」 そこは町外れにある廃墟ビルで、夏でも涼しい。 茂みに覆われた獣道を進んだところにあるこの場所は、地元の人間にもあまり知られていないし近寄らない。 ここが俺のひみつきちで、お気に入りだった。 お気に入りの椅子を窓際に寄せ、途中で買ったアイスを食べる。 蝉の泣き声と爽やかな夏の風が俺を癒す。 雄大 「これだけのために生きてるわー」 廃墟に俺の声が響いた。 雄大 「新しいバイト探さないとなー・・・あれ?」 俺は携帯を覗き込んだ。 唯一の欠点である電波環境の悪さが解消されている。 いつもなら大体圏外なのに。ばっちり三本立っている。
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