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少しでも気を緩めると、
涙が溢れてきそうで、私はキュッと唇を噛んだ。
私の瞳の色が少し変わったのを
アキラは、敏感に察知する。
「結衣を追いかけてここまで来た」
アキラは見たことのなかった切ない表情のまま、私との距離を一歩縮める。
「誰といても、奪うつもりで」
もう一歩。
長い脚が私の方に踏み出し
ジリジリと近づいてくる。
逃げなきゃ。
理性は警報を鳴らしてるのに、
私の体は金縛りにあったように、
一歩も動けないでいた。
アキラが手を伸ばし、
アキラの指が、私の髪を絡め取る。
その瞬間、
肌に触れてもいないのに、
電流が走ったような甘い刺激が
体中をかけ回った。
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