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観念したように閉じていく私の瞳。
近づいてくる気配を肌で感じた時、
触れそうで触れない距離で、
アキラはピタリと動きを止めた。
やらかい感覚を覚悟していた私の唇は
さみしさを感じ、ゆっくりと目を開けると、
アキラは私の唇に触れないまま、さっと顔を離した。
目に入ったのは、
勝ち誇ったようなアキラの笑顔。
「じゃ。また来るから」
そういいながら、大きな手がゆっくりと私の頬をなぞると
私の体が大きくピクンと跳ねた。
背筋がゾクゾクするほど、
キレイな笑顔のまま、
アキラは会議室の出口に向かっていった。
私が離れられないことを
確認したの?
小刻みに震える私の体。
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