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とりあえず近くのコンビニへ行く。
電気が消えてはいるものの、店内に入ることは出来た。
「…すいませーん。」
一応声を掛けてみたが、やはり返事はなく。
空腹の二人は、食料を拝借する事にした。
タバコやお菓子、飲み物をレジ袋に入れてコンビニから出た。
あぁ、朝日が眩しい。
「功太ぁ、コレって犯罪?」
「…いや、セーフだろ」
「だよね…んぁあ、着替えてぇなぁ」
と、ペットボトルのお茶をひと口飲んだ所でふと思った。
「そう言えばさ、あのマツイってのが『能力付けた』みたいなこと言ってなかったっけ?」
たしかランダムで…
「…あぁ、なんかそんなこと言ってたなぁ」
功太も覚えていたみたい。
「功太なんかやって見ろよ。」
「何で俺が…でもなんか出来たらすげえよな。」
コンビニの駐車場のタイヤ止めに腰掛け、能力発動大会開幕。
「よし、能力発動!!」
功太はノリ良く両足を肩幅程に開き、右の掌をコンビニの前に昔からある桜の木の方に突き出した。
「ぅぅうぉおお!!ハッ!!」
「w」
「笑ってんじゃねぇよ。つか何も起こらねー!」
ムキー!ってなってる。
「うーん‥つまらんなぁ。桜がドカーンとか出来ねぇの?」
「つか能力の出し方分からんし。そもそもあるのかね?そんな力。絢斗もやってみろよ」
「よっしゃ。爆発さしたる。」
今度は功太がタイヤ止めに座り、俺が桜の木と戦う。
戦ってはいないけども。
ただ、俺は功太よりファンタジー小説読書歴に一日の長がある。
つまり色んなイメージを持っているので
能力の判明には少し自信があるっちゃぁ有るのだ。
先ずは火。
燃えるサクラをイメージして…
すーーっふぅーー…
「ダァッ!」
「シュールな画だな。」
「うっせ」
どうやら木には焦げ1つないっすね。
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