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着替えも終わり、功太の屋根裏部屋から下に降りると功太が玄関ドアの覗き穴から外を見ていた。
「なにしてんの?」
功太は覗き穴から目を離すことなく
「何か居るぞ…」
と緊張した小さな声で答えた。
誰か、ではなく何か。
俺も一瞬にして背中に汗が噴き出すのを感じた。
「な、何かってなんだよ?」
功太は覗き穴からこちらに視線を向けて
「分からねえ。見てみ。」
とだけ言い、俺にも覗く様促す。
言われるがまま覗き穴に目を凝らすと
人が居た。
功太の家の前は3メートル程の道路になっていて、車が一台通れる程度の道路。
その道を5、6人がゆっくり歩いていた。
その顔を見て、声を上げそうになるがなんとか堪える。
虫の顔。
蟻か?
蟻の顔をした人が周囲を警戒するように歩いている。
体は人間の様に見える。槍の様な武器を持ち簡単な服とも言えないようなボロボロの服を着ていた。
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