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「傲慢だな、お前は。協力すると口にしていざやるとなると口答えする。まるで男らしくない。我の父は臆することなく浮気して母に生死をさ迷うような暴力を受けたぞ?」
それは決して男らしくないだろう。
単に女好きみたいな奴だ、間違いない。
これはしかし難しいな。
俺を好きな霞沙羅の感情を会長に向ける。
言葉にすると単純なのに…最も会長にバレないように霞さんには真実を隙あれば伝えたい。
「はは。とりあえず霞さんにあったら会長の良さを伝えますよ」
「それでは意味がない。我の考えるプランはこうだ、我とお前が付き合っている事実が学校中に伝わる。我は有名だからな、なかなか広まりやすいはずだ。つまり下手したらその嘘は真実にさえなる。そこに霞沙羅が来る……我は霞がお前を好きなのを知っていた。霞は我に戦いを挑み死闘を繰り広げて我が勝ち霞が我に惚れてハッピーエンド………完璧だろう?」
なにいってんのこの人。
自分で言って自分で納得しているけど俺には戯れ言のようにしか聞こえない。
「い、痛い、俺の腕はそんな方向に曲がりませんからっ!?」
「お前のその目は我をバカにしている。まあいい、これをお前にやろう」
肉体言語はすきじゃないのに……解放されたが、ぐっと近付いてきた。
まさかキスとか処女をくれるとかいうロマンスが始まるのか。
くっ、まだ心の準備が出来てないが、受け入れようか。
これだけ容姿の整っている女性を物にできるのは男冥利に尽きる。
どうせ逆らっても勝てねえし戦う前から負けている自分がいる。
にしても良い香りと整った顔立ちにドキドキしてくる。
こんな人みたことない、俺は意を決して瞳を閉じた。
すると……ガチャン、そんな変な音がした。
「なにこれ……重いし固いんだけど……つか取れない」
「篁家に伝わる奴隷の証だ。合成メタルで作った首輪だ。一度付けたらもうとれんぞ。安心しろ、皮膚はかぶれないさ」
「…………」
ある意味これはロマンスか?
はっ、終わったな、俺の学園生活は。
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