会長、篁麗子

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鉄首輪の由夜、そんな二つ名で呼ばれるようになった俺は学校ではいじめられるようになっていた。 登校初日なのに上履きをスリッパに変えられてたり教科書をエロ本に変えられてたりと様々だ。 そして綾には理不尽にも殴る蹴るの暴力を受けた挙げ句、絶縁を宣言された。 「おい、早くしないと先生に怒られんぞ」 「……いやちょっと待ってくれ」 体育教師は少し面倒だから天沢が俺を急かすのだが…。 ロッカーに入っていた体操服を取り出したのだがなにかが違うことに気がついた。 「……俺の体操着の下がブルマになってるだと……」 「そんなデカイ首輪付けて生徒会長様の犬なんだから今更ブルマ穿いてたって誰も驚かねえよ、早くしろよ」 殺気を込めて睨み付けたが、まるで動揺してない。 生徒会長の犬になった事実から天沢の中の俺への認識が変わったらしい。 「天沢、ジャージ貸してくれ」 「この学園一の美少女の犬になったお前に貸してやるものはなにもない、アデュー」 立ち去る天沢を尻目に俺は血管が数本切れた。 天沢の鞄に入っていた数体のフィギュアをバラバラに解体して綾のジャージの下を勝手に借りた。 サイズが小さいがなんとかいける。 後で酷い暴力を受けるかもしれないが、俺にはそんなのは慣れっこだ、大丈夫。 それより静恵さんに色々心配させてしまったことが俺の中では一番の問題だ。 うまく隠そうにもどうやっても目立つし隠しようがない。
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