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静恵さんと一緒に寝る。
これにより俺が回復する精神面と肉体面は計り知れない。
甘い香りを肺に蓄え、全身を駆け巡る。
肉体は張りがあり、漫画のグラビアなんかとは比べられるものじゃない体にこっそり触ることにより全身の感覚が研ぎ澄まされるような気がする。
目を醒ますと、二回に一回は泣いている。
なんで泣くのかわからんが、涙を流しているのだ。
「なんかニヤニヤしてて気持ち悪いんだけど……」
「ああそうさ、俺は紳士的な人間で静恵さんに信頼されている……そういう人間だ」
綾は軽蔑した視線を俺に向ける。
天沢は俺がバラバラのフィギュアを接着剤でつけ完成させた、美少女阿修羅に新たな可能性を見出だしたと、帰ってしまった。早退なのかな、登校中に帰るって。
綾の貧相な体が哀れに思える。
スタイルがいい、そんな形容詞はゴミだ。
確かにスレンダーだが、俺は静恵さんのような完成された美の方が……。
「……ねえ………いま……私のことバカにしたでしょ?」
「ああそうさ、俺は綾の痩せた平地よりたわわに実った果実を携え、大地豊かなになっている静恵さんの方が…………」
しまった、そう思った時には既にあらかたを口にしていた。
綾が警棒のような物を取りだしていた。
「じょ、冗談だよ。ほら俺達は幼馴染みだしこういう冗談だって……」
「私、冗談は嫌いなの」
綾はどこから取り出したかわからないエアガンも手にしている。
またまだよ、また綾に乱暴されるんだろ。
「ま、まあ俺も嫌いだしね。はは、なんだか気が合うね」
「これかなり痛いわよ」
はぁ、しばらくすると満足した綾が立ち去り残ったのはボロ雑巾の俺。
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