会長、篁麗子

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「そうか……目上の人間の意見を出されては参考にせざるを得ないな」 起き上がった会長と色々と話をしたのだが俺の意見ではないというのがよかったのか聞く耳を持ってくれた。 いやそもそもこの人の中で俺の評価が著しく酷いから駄目なのかも。 「じゃ、じゃあ俺は早いうちに解放されるんですね」 「我が霞沙羅を手に入れればお前は解放されるだろう。早い遅いはわからんが、少なくとも嘘は嫌いだ」 会長の言葉通りの人間が霞沙羅だというのならキツいはずだ。 下手したら何年もかかるかもしれない。 ひょっとしたら死ぬまでかも。 「それじゃあ俺は魔法使いに…いやもし死ぬまで叶わなかったら俺は」 「お前が誰とどうしようが、構わん。ただ表面上は我のペットだ」 「俺は例え表面上でも付き合っているのなら浮気はできません」 俺がよくわからないらしい。 会長は首を傾げると仕事を再開した。 祈ろう、霞沙羅が会長に靡くのを。
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