15人が本棚に入れています
本棚に追加
「これはいじめなのか?ひょっとしたらユーモア溢れる奴のいたずらなんじゃないかと」
「いじめでしょ、確実に」
綾は笑いながらそういう。楽しいか、幼馴染みの不幸が。
クラスに入り、自分の椅子に座るとぶふー、と音がした。
辺りで笑いが起きたが、ブーブークッションだったのだ。
いや別にそんな恥ずかしいとか思わないけど……いやもうマヒしているんだろうな、こんな首輪つけて生徒会長様の犬という立ち位置の自分がいるし。
「先生に言ったらどうなるんだ?」
「別にどうもならないでしょ。先生方の中では高坂由夜はネタに走ってる印象だし。怪我したりとかそういうのもないわけだし」
「心は傷だらけだよっ!精神的正当防衛はいつになったらできるんだ、あぁん?」
俺のようなクールガイがこんな風なネタキャラになるなど思わなかったぞ。
冷静で、クールで……あ、かぶった。
それでもまあ普段、話すことのなかった男子とか女子とかとは何故だか会話が増えた。
「ちょっと、唾飛んだわよ、汚い。はぁ、こんなクズと話してやってるの私ぐらいよ?」
「はは、こんな洗濯板もびっくりな女にもバカにされ……おい」
なんで机なんて持ち上げんだよ、この女は。
自分がちゃかしといて逆にやられると逆ギレか……これだから生理不順でカルシウムの無い女は。
そう思いつつも内心涙目で、謝ってもどうせ通じないんだよな、知ってるよ。
最初のコメントを投稿しよう!