会長、篁麗子

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「翔の奴、結構泳げんじゃねえかよ。おかげで久々にヒートアップしちまった」 水も滴る良い男、まさに彼の為の言葉じゃないか。 髪をかきあげた様など見るものを虜にしてしまう。 綾なんかも一樹さんに惚れてんのかな、とか思ってみたら何故か、俺と目があった。 「な、なによ、いきなり私の方見て…探ってんの?」 「なにをだよ。なんでもねえよ」 つか綾との距離が近いよ。 なんでこんなこっちにグイグイきてんだよ、コイツは。 続いてあがってきた天沢が哀れに見えた。 ぜぇはぁーいいながらあのイケメン後にあがるなんて比べられてしまうだろ。 しかも格好悪いし、負けたみたいで。 「由夜、俺は修行の為に旅に出てくる。日帰りで……だから探してくれるなよ?」 「いや当たり前だろ」 天沢はいってしまった。 勝負なんてまるで見てなくてみんなで話してたから。 けど天沢が水泳得意なのは知っていたから特別おどろかなかったわ。 幼少期からスイミングスクール通ってたのに……可哀想だな。 「なんだよ、由夜、やる気じゃん」 「別にいいっすよ、水泳ならまあ得意ですし」 なんて言ったけどあんまり早くない。 むしろ普通、天沢よりは確実に遅い。
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