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「ねえ、凄く顔色悪いけど平気?」
「多分昨日の綾のせいで疲れたんだろ」
適当に返事してたのがまずかったか。
天沢がいないせいで、考え事もろくにできない。
綾と二人で登校だと、ずっと話し掛けてくるからな。
昨日の今日で休んだりしたらそれこそ会長の機嫌を損ねるかもしれない。
静恵さんには玄関で寝てたり俺の表情とかから変化を見抜かれ、休むよう促されたが断った。
彼女の言っている財力と権力を使うって下手したら俺にこないで周りに行くかもしれない。
そう思ったら怖くて、とてもじゃないけど休んだりできない。
盗聴器だって探すことすらできなかった。
「遊びに真面目なの私は…」
イラっときたが突っかかるのはよそう。
確かにあの時ゲームで負けなかったらこんな時にならなかったとか、綾のせいだとか色々思うところもあるけどぐっと堪えよう。
校門付近が見えてくると当然のようにそこに会長が居た。
ずきり、と首元が痛んだが、大して切れてなかったし他人から見えないわけで日常生活ではまるで気にならない。
それも彼女なりのなにか意味をもったことなのだろう、そう考えてしまう。
それでも取り繕ったかのような笑みをすぐに浮かべられていたことはとてもよかったと思う。
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