冷たい目

5/6
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
― バー ― バーに着いてからも私はただなんとなく働いていた。 もう考えるのが辛かった。 気持ち入れ替えることすら出来なかった。 マスターはいつもの表情に戻っていた。 ちなは多分必死でお客さんに笑顔作ってる…。 ちなは強いよね… 私は何なんやろか…。 強くないよ…。 強くなりたいのに…。 私は誰とも話さずまるでロボットのように仕事を黙々としていた。 ―閉店― 私は無言のまま一人家へと帰った。 マスターとちなの切ない視線が背中を突き刺した。 唯斗…私もう無理かも……笑 淡く降り続く雪は唯斗の涙を凍らせた結晶なの? こんな姿見たくないよね… でも私は唯斗が思ってるより 弱くて 唯斗が思ってる何倍も唯斗の存在が大きかったんだよ。 そういえば唯斗、女の気持ち嫌いだったよね… もし今、近くに唯斗がいて私を見たら… 私…唯斗に嫌われるかな?
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!