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― バー ―
バーに着いてからも私はただなんとなく働いていた。
もう考えるのが辛かった。
気持ち入れ替えることすら出来なかった。
マスターはいつもの表情に戻っていた。
ちなは多分必死でお客さんに笑顔作ってる…。
ちなは強いよね…
私は何なんやろか…。
強くないよ…。
強くなりたいのに…。
私は誰とも話さずまるでロボットのように仕事を黙々としていた。
―閉店―
私は無言のまま一人家へと帰った。
マスターとちなの切ない視線が背中を突き刺した。
唯斗…私もう無理かも……笑
淡く降り続く雪は唯斗の涙を凍らせた結晶なの?
こんな姿見たくないよね…
でも私は唯斗が思ってるより
弱くて
唯斗が思ってる何倍も唯斗の存在が大きかったんだよ。
そういえば唯斗、女の気持ち嫌いだったよね…
もし今、近くに唯斗がいて私を見たら…
私…唯斗に嫌われるかな?
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