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―ある夜、閉店バー ―
あれから私は周りの目から逃げるようにバーに向かい働いて暗闇の中を一人帰る、そんな生活を繰り返していた。
マスターが心配してくれた…。
でもマスターの胸では泣けなくて…
ちなも励ましてくれてる…
私は…やっぱり人に縋って甘えることが出来なかった。
でも私のために閉店してから飲み会をしてくれた。
ちなとマスターが色とりどりの料理を作ってくれた。
ありがとう…。
こんな私のために…
マスターとちなに私は何を渡せたかな?
私はマスターとちなからいっぱい貰ってる。
私……頑張って復帰するから…。
唯斗とも約束したんだから…
強くなるんだって…。
ふと現実に戻るとマスターとちながお酒を二人で飲んでいた。
「弥生ー飲まんのー!?」
ちなが笑顔でグラス片手に近づいてきた。
「ちな酔ってるやろ笑」
「私酔ってないもん!笑」
「ちな大人しく飲めや!笑」
「はーいマスター!」
ちなはきっとお酒で忘れたいのかな…。
私は忘れられない。
忘れちゃいけない愛する人だから…。
しばらくするとマスターが私の横の席に座った。
「弥生ちゃんそんなムスッとした顔してたら空から唯斗キレてくるで笑」
「…すいません笑」
「弥生ちゃんは今おっきいもん背負ってるな。」
「大きいもの?」
「俺も上手く説明できへんけど[唯斗の記憶]かな…。」
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