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唯斗のお父さんがマスターとちなを睨んだ。
「あんたらには関係ない。俺はこの娘と話しに来てるんや。」
マスターとちなが唯斗のお父さんを必死で止めていた。
(弥生に暴力振らんといてください!)
(ちゃんと話し合おうよ!)
(関係ないって言ってるやろ!そこのアマが唯斗誘惑したんやろが!!)
マスターと唯斗のお父さんが取っ組み合いになっていた。
ガッシャーン。
棚に飾って置いたお酒のビンが床に落ちた。
私は…無表情で涙を流したまま倒れていた。
ちなは泣きながら二人を止めていた。
(……………弥生?私が…力貸してあげる。)
頭の奥から悲しい阿美の声が聞こえてきた。
阿美は私の体を使ってオーダー表の近くのペンケースからカッターを取り出した。
(あの親父……殺してあげる。)
阿美は涙を流していた。
阿美…
私の気持ち分かってくれたん?
ありがとう…。
でも殺したらあかん…。
唯斗も絶対悲しむよ…。
(でも私我慢出来ん…。)
阿美はカッターのナイフの刃を出した。
阿美止めて…
阿美に体が使われて思うように動かない。
ちなは必死で二人を止めていてマスターと唯斗のお父さんは取っ組み合いして阿美に気付いていない。
お願い…阿美止めて。
阿美はゆっくりとマスターと揉めている唯斗のお父さんの元へと歩き始めた。
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