人魚姫

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阿美お願いやけん止めて!! 私は必死で自分の足を止めた。 (…弥生悔しくない゛ん!!?あんたのこと言われてる゛んやで!!) 私の頭の中で阿美が泣き叫んだ。 阿美… ………いい。 (…!?) …もういいよ。 阿美、私に着いて来てくれる? (……どういうこと?) 私……もう唯斗のお父さんに何言われても平気…。 私はね…唯斗がいてくれたらそれでいんよ。 (……………弥生、好きにしいや) 阿美、分かってくれてありがとう…。 私は三人に近づいて行った。 「ちな、マスター?もういいよ…。」 私がそう言うとマスターが唯斗のお父さんの手を振りほどいて離れた。 唯斗のお父さんが私に近づいて来た。 「よく見たら綺麗な顔してるな。唯斗も着いて行くわけやわ。こんなカス女に…。」 目の前の唯斗のお父さんからは…病院の時や葬式の時の面影が一つも感じ取れなかった。 発狂しきっていた…。 すると私の右手のカッターに唯斗のお父さんが気付いた。 「お前何持ってるんや!!そんなもんで俺殺せると思ってるんかカスが!!」 もう私は何を言われても関係なかった。 「これはあなたの命を奪う物じゃありません。…………………私にとってこれは…唯斗に会うための鍵……。」
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