陳腐化する平穏

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六(影牢…。) 信は大声で笑い始めた。 信「ヒヒ、ヒャヒャ!! 怜やっちまえ!!」 すると後ろから怜が現れ並んでいるドラム缶を六と信に向けてフタを外した。 怜「信避けてよ!!」 怜が前もって空気を貯めていたドラム缶は凄まじいスピードで二人に向かった。 六(……!! 間に合わないんだって!!) ドンッ!! 六の右半身にドラム缶は命中し信と六は密着したまま宙へと投げ出された。 信「あと一発!!!」 怜は六と信の真下に立ちドラム缶を真上に飛ばした。 六(……!!) ドカッ!!! 六と信は更に高く宙へと飛ぶ。 信「いってぇ…。 遠慮ってもんを知らねぇな。」 信は表情も身動きすら変えることの出来ない六を見つめ微笑んだ。 信「お得意の影はねぇぞ。」 六(……っ! こいつら…! 俺の能力を理解して空中に飛ばした…。 対象人物の影がなきゃ影牢は使えないんだって…。 こんなに高く飛ばされたらこいつの影なんてこれっぽっちもない…。 完全にやられた…!) 信「後は任せたぜ…。」 信の視線の先には最も高い電波塔の先に立っている了がいた。 了「よくも…刺してくれたなぁククク。」 了は電波塔から飛び上がり六と信に向かった。 六(やられる…!!) 了「終わりだ。」 すぐに信は両手を六の肩から離した。 ドゴッ!!! 了「…あ。」 了は信の顔面を思い切り殴っていた。 その反動で信の頭が六の顔面に直撃した。 六「…ガッ!」 バタン!! 六と信は同時に地面に落ちた。 直後に了も地面に降りた。 了「わりぃ間違えた。」
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