陳腐化する平穏

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†東部、雲の街† 雲の街は周りを緑に囲まれ中心は大型ショッピングモールのビルが建ちそれを包むようにマンションがそびえ立っている。 惟は車から降り両手を広げて叫んだ。 惟「やっと帰ってきたぁぁ!」 惟の声に怜は目を覚まし町並みを見渡す。 怜「すごい。」 怜はすぐに信の肩を叩き信を起こす。 怜「信起きて!」 信は寝ぼけ眼で怜を見つめる。 信「…!!」 信は近代的な建造物の数々に思わず絶句してしまった。 惟「ほら、家に案内するからっ。」 二人は車から降り惟の背中を着いていく。 鼠色のやや古い四階建てのマンションの前で足を止めた。 惟はマンションを見上げて笑顔を浮かべる。 惟「正面から見て一階の一番左が信の部屋でその隣が了の部屋。 更に隣が怜の部屋だよっ。 鍵はもう開いてるからね。」 信は小さく舌打ちをして頭を掻いた。 信「っんだよ! 怜と隣の部屋じゃねぇのか。 まぁ近いしよしとするか。」 怜にその言葉は届いておらずマンションを見上げていた。 惟「あ! 今日夜に三人の歓迎会があるから、一番大きいビルの隣にある集会場に来てね。 それまではあのビルの中で買い物したり自分の部屋で休んだり好きなことしていいからっ。 じゃぁ私は打ち合わせがあるからまたねっ!」 惟は忙しく両手を振りながら二人の前からどんどん小さくなり消えて行った。 惟がいなくなった後、信と怜はただ立ち尽くしていたが、信が口を開いた。 信「なぁ怜。 車ん中で爆睡出来たしあのでっかいショッピングモール覗いて見るか?」 怜は信を見つめ笑顔で頷いた。
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