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しばらく行ったところで、三人は立ち止まることとなる。そして思案する。このまま行くべきなのかどうか、と。
それが、クロードの最初の過ちだったといえる。
森を抜けるまで逃げ続けていれば、あるいは結末は変わっていたのかもしれないのだ。
このとき、クロードは蒼眼を発動した。これもまた、間違いのひとつだったかもしれない――。
いや、決定的な間違いだったのだ
やがて、敵はやってきた。
クロードたちのメンバーもその背後にいたが、奴らの狙いは三人にも向けられていた。
クロードは、ララとリリィのふたりの前に立ち、彼らに応戦した。
戦況は優位なもので進んだが、クロードにとってこれは初めての対人戦だったため、非情なる判断を下すことができなかった。
つまり、トドメを――敵の命を経つことができなかったのだ。
それが、この事件最大の過ちだ。
いや、人の命を奪わなかったことが過ちだ、などというのはおかしいはずだ――。
その考えは、断じて間違っているといえる。
しかし、その判断が、別の大切な命を奪う結果につながってしまった。
クロードが峰打ちをした敵によって生命を絶たれたのは、若干十四歳の少女リリィだったのだ。
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